整体院でＴFＴ(思考場療法）

記事公開日　2022年7月
記事更新日　2023年6月　

TFT（思考場療法）とはアメリカの心理学者ロジャー・キャラハン博士が発展させてきた心理療法で、鍼のツボをタッピングすることで心理的問題の症状を改善させていく療法です。

思考場とは端的に言えば、特定のことについて考えた時のストレスや不安と言った反応です。
そういった不快な反応に鍼のツボをタッピングしながら信号を送ることで、不快感を低減させる療法になります。

TFTはエビデンスのある治療法として米国政府のエビデンス登録機関(旧SAMHSA)に登録され、効果があることが認められている療法です。

当院は自律神経の症状の方が多いですが、診断名のある心の症状を併発されている方がいらっしゃる時もあります。

心の症状は自律神経のバランスが崩れることから始まるので、自律神経のバランスが整えば、心の症状も軽減してはおりました。

しかしもっと即効性があり改善を早めるためにサポート出来ることはないだろうかと考え、今回TFT（思考場療法）を導入することにしたしだいです。

精神科でうつ病と診断されたKさんは２年程当院に通院されています。

主な症状は、朝の無力感、不安感、お腹の痛み、不眠などです。

最初当院にいらっしゃった時は仕事にも行けないような状態だったのですが、現在は復職されていて、症状は比較的安定しているようでした。

いつもの整体後にTFTという療法がありますという話しをしたら、「ぜひやってみたい」ということだったので一緒に行いました。（TFTはセラピストが鏡のように同じ動きをするので初心者でも簡単に行えます）

TFT前に心の状態をお聞きすると、明日の仕事の不安感があるということだったので、その不安感の「思考場」に対して行いました。TFT後は不安感の数値化で、７あった不安感が３まで低減したとおっしゃっていました。

Ｋさんはセルフケアでもやってみたいということだったので、セルフケアのやり方もお伝えしました。

「脊柱管狭窄症」で当院に通院されているさん、現在は症状がほぼ無い状態で落ち着いていますが、運動後などに突発的に痛みがでる時がありました。

Nさんは病院で「脊柱狭窄症」と診断されて手術を受けたのですが、しびれや痛みが緩和されずに当院にいらっしゃったという経緯があります。
Nさんはそのことがずっと引っかかっていて、手術をしたことに対して後悔の気持ちを繰り返しお話しされていました。

Nさんに対しては後悔の「思考場」に対してTFTを行いました。
TFT後、Nさんに感想をお聞きしたところ、「あまり変化がない」というリアクションだったのですが、実際に筋肉の触診をすると、TFT前に触診した時より筋肉が柔らかくなっていて、その変化はNさんと共有することができました。

このようにTFTは、感覚として変化をあまり感じられない時もありますが、筋肉が緩む、呼吸が深くなるなどの体の反応はあるようです。